医療の質(QI)

医療の質(QI)

QI(Quality Indicator)とは、医療の質を測る指標のことで、標準医療が実施されている度合いを数値で表す(見える化)取り組みです。自分たちの医療活動を、QIを通して経時的に見たり、他の医療機関と比べたりすることで客観的に評価します。さらに、病院として有用と思われる指標を設定し評価・改善に取り組むこと(PDCAサイクルを回す)を目標としています。
全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は、2010年から「医療の質の向上・公開推進事業」を開始しました。当院でも2011年からこの取り組みに参加しています。

指標49)救急車受け入れ割合

【指標の意義】
 救急車受け入れ割合は、救急隊からの搬送の要請に対して、どれだけの救急車の受け入れが出来たかを示す指標で、各病院の救急診療を評価する指標となります。地域医療への貢献を示す指標にもなります。

西淀病院の基本方針には「内科二次救急受け入れ医療機関として、急性期医療の充実をめざす」と明記しています。また、2021年度病院方針にも救急応需率(受け入れ割合と同意)90%を目標に掲げています。地域を意識したまなざしを持って、地域の救急要請に応えていきます。

指標9B(厚) : インシデント・アクシデント 全報告中医師による報告の占める割合

【指標の意義】
 一般に医師からの報告が少ないことが知られており、この値が高いことは医師の医療安全意識が高い組織の可能性がある。

指標9B(厚)分母 : 調査期間中の月毎のインシデント・アクシデント報告総件数
指標9B(厚)分子 : 分母のうち医師が提出したインシデント・アクシデント報告総件数
単位 : %

身体への侵襲を伴う医療行為は、常にインシデント・アクシデントが発生する危険があります。その発生をできる限り防ぐことは医療安全の基本です。ハインリッヒの法則によると、1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するといわれています。軽微な事故、事故に至らない異常を発見し報告することで、重大事故の発生を予防することが必要です。2021年度病院方針では、8%以上を目標にしています。

指標54A)紹介患者率  指標54B 逆紹介患者率

【指標の意義】
 他の医療機関との連携、機能分化を促すための指標です。

指標54A分子:開設者と直接関係のない他の病院又は診療所から紹介状により紹介された一ヶ月間の患者数

指標54B分母:一ヶ月間の初診患者数(地域医療支援病院の紹介率・逆紹介率の初診患者数の算出方法による)
指標54B分子:開設者と直接関係のない他の病院又は診療所への一ヶ月間の紹介患者数

紹介率とは、初診患者に対し、他の医療機関から紹介されて来院された患者の割合です。逆紹介率とは、初診患者に対し、他の医療機関へ紹介した患者の割合です。これらの指標が高い医療機関は、地域の医療機関と密に連携が取れていることを表し、各患者の病状に応じた医療の提供に貢献していると考えられます。

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